FIRE 批判に対する個人的見解

こんにちは。倹約なまけもの です。

皆さんご存知の FIRE (Financial Independence, Retire Early : 経済的自立・早期退職) ですが、昨今テレビのニュースでも取り上げられることが多くなり、着実に知名度があがってきています。

多くの人々に知れ渡る中で、SNS上では意見や批評が巻き起こり、ときに称賛、ときに批判されるわけですが、FIREの場合もご多分に漏れず、多くの意見が飛び交っています。ただ、私の目から見て「これは少しズレているんじゃないか?」というような、批判なのか質問のようなものが散見されたので、今日はそれらについて個人的な見解を述べたいと思います。

目次

FIREを目指す人は仕事が嫌いなんでしょ?

FIRE を目指す人は仕事が嫌いだったり、苦手なんでしょ?

いいえ。FIRE しても、仕事をするケースはありますし、仕事の好き嫌いや不得手とは無関係ですよ。

FIREに対する批判で一番多いのがこれではないでしょうか。FI (経済的独立) と RE (早期退職) が同時に語られる事が多いので、致し方無い部分はあるのですが、 FIRE の本質は、FI (経済的独立) にあります。つまり、どうやって経済的独立を手に入れるかその具体的なプロセスを説いた理念であって、必ずしも早期退職を強要する考え方ではありません。それ故、昨今では Barista FIRE (バリスタFIRE) のような、完全に仕事は辞めないけど、拘束時間や負荷の少ない仕事 (ここではバリスタ、と言ってもバリスタも大変な仕事かとは思いますが…) を継続して経済的独立を目指そうといった、FIREの発展型の考え方も生まれています。

FI (経済的独立) 、つまり「働かなくても不労所得で生きていく」状態に到達するにはどうすればよいか具体的な手段を示した点がエポックメイキングだったわけで、「仕事の好き嫌い」とか「仕事の不得手」とか仕事に対する感情とは本来関係はなく、大事なのは単に個人の会計上の話なのです。

それ故、「FIRE を目指す人は、仕事が嫌いだったり、苦手なんでしょ? 私は得意だから関係ないわね」という意見は、少しもったいないな、とも思うのです。言い換えると、経済的独立を達成した後でも、仕事が好きならば好きなだけしてよいし、ときに人生で一息つきたければ仕事を辞めてもよいし、仕事の好き嫌いとは別に「生活費に迫られて仕事をしなければならない」という状況から脱するかどうか、が FIRE の着眼点でもあるわけです。

「金持ち父さん、貧乏父さん」に有名な図があります。

何らかの形で収入を得ている人は、4種類に分類されます。大きく二分割すれば、従業員や自営業といった労働収入を得ているか、起業家のように他人に働いてもらうか、また投資家のようにお金に働いてもらって、”自分以外のだれか/なにかに” に働いてもらって権利収入を得ているか、です。

FI (経済的独立) で語られているのは、まさに「労働収入のグループから、権利収入のグループへ移行しよう」ということだったのです。例えば、不動産を所有して家賃収入を得るような起業家や、株式や債権に投資してその配当や値上がりで収入を得るといった右側の世界に足を踏み入れませんか?ということです。従来、右側へ行くには、大量の資本が必要とされていました。しかしFIRE が、努力次第では誰でも可能な再現性の高い方法を示してくれたのです。

権利収入のグループの人たちからすると、自分以外に働いてもらえないと収入が得られないので、一定の労働力、つまり従業員や自営業者が必要です。右側のグループに来てもらっては困るのです、「どうぞどうぞ、そのまま労働者でいてください」という立場なのです。

  • 「仕事をするのは美しい」
  • 「汗をかいて労働するのは素晴らしい」
  • 「労働せずに得たお金は汚いお金」

といった社会の常識・教育は、そういった人たちに作られたポジショントークといっても過言ではありません。

さて「FIRE を目指す人は仕事が嫌いだったり、苦手なんでしょ?」と質問した人は、どのグループに所属しているでしょうか。おそらく、E か S ではないでしょうか。同じグループの中で、争うことほど悲しいことはありませんよね。

ITの発展が労働者の味方してくれています。たとえ労働者であっても、スマホひとつあれば簡単に投資できるようになりました。証券会社の店舗に直接出向かなければ株を買えなかった時代は、はるか昔のことです。ベッドの中からでも親指ひとつで株式や金融商品が買うことができます。

大きな資本がなくても、株主つまり、投資家の立場にたてるのです。権利収入のグループに足を踏み入れることができる時代です。本当に、良い時代になりました。

FIRE したら暇じゃない?何するの?

FIRE したら暇じゃない?何するの?

やりたいことをやるので、暇ではないです。

これもよく聞かれる意見ですね。FIRE したら暇じゃないか?何をするのか?

ただ、これはよくよく考えてみると、これは質問者の考え方の写し鏡なのかなと思います。つまり、「私の場合は、仕事辞めたらやることがなくなる」、言い換えると「仕事以外にやりたいことがない」状態なのかなと思います。例えるならば、従来型の65歳で定年を迎え、やることがなくて暇になって鬱になってしまうようなサラリーマンと同じ状態なのかなと思います。

「定年まで勤め上げたら、あなたも暇になるんじゃない?暇かどうかって、FIRE関係あるの?」という感じです。ちょっとピントがずれているというか、何を聞きたいのかよくわからない質問ですよね。

日本でもFIREを達成された方々のその後を、SNSで拝見することができます。みなさん、好きなことをされていて、まったく暇ではなさそうです。むしろ、精力的に活動されている方が多いように思います。所謂、従来型のリタイア年金生活というよりも、好きなことをやるために体の若いうちにFIREして人生を豊かにしたい、そういった熱い思いの方が多いように思うのです。

もっというと、FIREは簡単に達成できるものではありません。長期的な努力と、緻密な計算が必要です。パット思いつくだけでも、

  • FIRE に必要な金額を見積る
    • 毎月の支出を可視化する
      • 家計簿つけてますか?
      • 毎月の支出は把握されていますか?
      • ご結婚されていたら、ご家庭の収支は明らかですか?
  • 貯蓄率を最大化する
    • 収入を最大化する
      • 本業の収入を増やす
        • 昇格や転職で給与を増やせますか?
      • 副業 の収入を増やす
        • 本業の空き時間で副業を頑張ることができますか?
    • 支出を最小化する
      • 必要な支出と浪費の区別をつけて、浪費を我慢することができますか?
  • 投資で資産を増やす
    • 投機ではなく、投資で安定的に資産を増やせますか?

のように、自らを把握し、自らを律し、また家族の協力を得つつ、計画策定・遂行していくこと必要です。私はここまで達成できた人が「仕事を辞めたぐらいで暇になるような人」とは到底思えないのです。それが故に、まるで写し鏡のような質問だな、と感じてしまうのです。

まとめ

とまぁ、リアルの世界で友達や同僚とお金の話をするのもいささか気まずいのでブログにしたためた訳ですが、いかがだったでしょうか。笑

「これ間違っているよ、まだまだ甘いね」とか、「こんな考え方もあるから、もっと見識広めた方がいいよ」などのご感想・ご意見は Twitter でお待ちしています。

では、残り僅かなGW、ごゆっくりお過ごしくださいませ。

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